インドなんて二度と行くか!ボケ!!~紀行文~

もう1人、僕が注目している紀行文作家がいる。
それが「インドなんか二度と行くか!ボケ!!…でもまた行きたいかも」の、さくら剛である。

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さくらは自称“引きこもりのニート”。
それが、3次元の彼女にもフラれ、自棄になってインドへ旅立つ。

さくらはインド人の商人にボラれ、
食べ物やトイレ、そして下痢に悩まされ、
はたまたサイババの1番弟子だというライババのインチキ占いを楽しむ(?)
ヒッキーという割には、積極的にインドを楽しんでいる。


彼の本の特色は、その文体にある。
例えば、こんな具合。

「僕は、到着したその日からインドに夢中になり、すぐに「また何度でもインドに来たい」と思うようになったのです。

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 ・
 ・
っていうか、初日の時点ではね。

そして時は過ぎ。

帰国2、3日前の気持ち。

インド人全員殺す。


口語を駆使し、頻繁な改行に、文字の強調。
まさしくネットの書き込みのノリなのだ。
帯には「電車で読んではいけませ~ん!だって吹き出しちゃうよ。」とあったが、その通り。
実際、何度も笑ってしまった。


さくらは後に、フラれた彼女が中国に留学することを聞き、会いに行こうとする。
それも、何を血迷ったか、少しでも遠くから中国に近づくために、
彼は南アフリカのケープタウンに降り立ち、
アフリカを縦断して、さらにユーラシア大陸を横断しようという、
「電波少年」の企画そのもの、いやそれの上を行く。


南アフリカからエジプトを経て、イスラエルへ抜ける旅は、
「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。」
「アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!…でも、やっぱり好き(泣)。」
の2冊で描かれる。

「インドなんてもう絶対に行くか!!なますてっ!」
では、再びインドに入り、あのライババにも再会。


「中国なんて二度と行くかボケ! ・・・でもまた行きたいかも。」
では、中国をさまよったあげく、北京にたどり着くも、
彼女には案の定会うことはできずに終わってしまう。


それにしても彼の文体は、人によって好き嫌いが別れるところだろう。
実際僕も、何冊も立て続けに読むと少々飽き飽きしてきた…気がする。

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ところが、彼が取材という名目で南米を旅した「南米でオーパーツ探してる場合かよ!!」は、
彼の感性が意外な方向に生かされた会心の作だったといえる。

タイトル通り、さくらが南米にあるオーパーツを訪ねて歩く旅である。
オーパーツとは、「場違いな遺物」のことで、その技術が発掘された時代にそぐわないことから、
しばしば異星人の仕業とも、超古代文面の名残ともいわれる。

さくらも、ナスカの地上絵や空中都市マチュピチュ、イースター島といったメジャーどころの古代文明を次々と訪問する。

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そして何と、彼は幾つかのオーパーツで、真相に行き当たってしまう。
例えば、恐竜と人間が共存していた証拠とされるメキシコ・アカンバロの恐竜土偶。
あるいは、ジェット機の模型ではないかといわれるコロンビアの黄金ジェット。

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写真を見てもわかるように、確かに単体ではそう見える。
だが、さくらはそれらが実際には多くの同種のモノと一緒に展示されていることを発見する。

恐竜土偶の中には、頭だけが恐竜のような人間がいたり、
顔に直接手足が生えた生物が混じっている。

黄金ジェットの場合も、どう見ても飛行機には見えないものが並んでいる。

つまりこれらのオーパーツは、
多くのものの中からたまたまそう見えるだけのものを取り上げたに過ぎないということなのだった。


最近ではインターネットラジオ「さくら通信」を運営したり、
旅行以外の書物を執筆するなど、多方面での活躍を始めたさくら剛。
今後の彼に期待しよう。

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