仰げば尊し~卒業式~

3月というと卒業式シーズンである。
僕の勤務校でも先日、卒業式があった。


毎年のことだが、何度卒業式を体験しても不思議と感慨深い。
僕自身の小学校から大学までの卒業式のことも何となく思い出される…。
ちなみに一番感慨深かったのは教員として初めて卒業生を出した時だったろうか。


卒業式というと、

卒業生入場
国家斉唱
校歌斉唱
卒業証書授与
表彰
校長式辞
来賓祝辞
在校生送辞
卒業生答辞
式歌斉唱
卒業生退場

どこの学校も卒業式の中身はそう変わらないのだろう。

卒業式の式歌というと、「蛍の光」や「仰げば尊し」が定番だが、
最近は歌わないことも多い。
そういえば、もう数年卒業式で聞いていない気がする。

とりわけ「仰げば尊し」は人気がないようである。
「♪仰げば尊し我が師の恩…」という歌い出しが、押し付けがましいとか、
「♪身を立て名をあげやよ励めよ」という立身出世を奨める歌詞が時代にそぐわないからとかいろいろ言われている。

しかし最近は「蛍の光」も歌われない場合が多い。
特に軍国主義的な3、4番は僕の時代もすでに歌われていなかった。
なにしろ4番「♪千島の奥も沖縄も」には日本の領土でなくなった千島列島が歌われている。


なんだかんだいって歌われなくなった一番の理由は、今の子供に文語調の歌詞が馴染まないのではないかと思う。

ただ、国語教師の立場から言うと、これらの歌には重要な古典文法が含まれており、
古典の導入として手頃な題材である。
例えば「仰げば尊し」の「♪今こそ別れめ」に係り結びの法則が。
「蛍の光」の「♪いつしか年もすぎの戸を」に掛詞が用いられている。
せめて小・中学校では歌っていて欲しいと思う。


最近は代わりに「旅立ちの日に」を歌うことが多い。
この曲は1991年に秩父の高校教師によって作られた比較的新しい曲だが、
今や全国で歌われる程になった。
僕も大好きな歌である。


ところで、「蛍の光」や「仰げば尊し」が歌われなくなっても、国歌「君が代」だけは相変わらず歌われ続けている。
正直に言って「君が代」の歌詞は、「蛍の光」に比べはるかに難解であると思う。
聞いていてもしっくりこない。
また、助動詞が一つもないので古典の授業にも使いづらい。
おまけにピアノ伴奏は、下手な人がやるとなんとも盛り上がらないのである。

国歌を歌う背景には文科省の指導があるし、
式典で歌うことをめぐって様々な議論があることも知っている。
だが、いやだからこそ、卒業式で「君が代」を歌うべきなのかを広く論議すべきなのではないだろうかとも思う。


そんなことを考えた卒業シーズンだった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント