さらば青春、されど青春

知人から券を頂いたので、映画「さらば青春、されど青春」を観た。

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この映画は宗教団体・幸福の科学の創設者・大川隆法総裁の青年時代を描いた映画である。
幸福の科学の実写映画を観るのは2012年の「ファイナル・ジャッジメント」以来になる。
幸福の科学の映画はアニメは評価が高いのだが、実写は賛否両論となることが多い。
正直、「ファイナル・ジャッジメント」を観た時、あまりにも荒唐無稽でリアリティの無い作品だと思った。
そんなこともあって、この「さらば青春、されど青春」はあまり期待しないで観たのである。
それが良かったのだろうか、想像以上に面白い映画だと感じた。


主人公は大川隆法総裁を思わせる中道真一。
その主人公を演じるのは大川宏洋(おおかわ・ひろし)、大川隆法総裁の長男である。
さらに三男の大川裕太が脚本原案、長女の大川咲也加が挿入歌の作曲・歌唱で参加している。
いわば家族ぐるみの映画である。
また、昨年出家騒動で話題となった千眼美子こと清水富美加がヒロイン美子役で出演しているのも話題だ。


四国の田舎町に生れた真一が上京して東京の名門大学に入学。
そこで青春時代を送る展開は、実際の大川総裁のプロフィールそのもの。
若き日の父親を息子が演じているというのも大変興味深いが、
実際大川宏洋は大川隆法総裁にどことなく似た面影がある。

真一がゼミに入るために書いた論文を友人に「難しくてさっぱり理解できない」と評されたり、
司法試験では短答式試験に優秀な成績で合格するも、現行法の不備を批判したために不合格になる。
代わりに三顧の礼で入った商社では次期幹部と期待され優秀な成果をあげていく。
大川総裁がかなり美化されているのが少々気になる。

その一方で、真一は一目惚れした同級生の女性に一方的にラブレターを送りつける。
そのラブレターというのも、「きみよ この風の声を聞かないか…」で始まる、まるでポエムのような内容なのだが、
どうやら大川総裁自身が若き日に書いた詩そのもののようなのだ。
普通、黒歴史として封印しそうなものだが、大川総裁はそうではないらしい。
その女性は、真一の高貴すぎる姿を自分には不釣り合いだと感じ、
たった一言「あなたとはお付き合いできません」と書いた手紙を送る。

手紙を前にして放心状態の真一。
固まったまま夜を迎える…。

なんか、その気持ち良くわかる。
大川総裁の人間らしさを感じさせるエピソードである。

真一は真面目というよりあまりに天然すぎて、そのことが元で失敗したり、
会社でも上司に受け入れられなかったりと、
幸福の科学の映画にも関わらず、決して「偉人」扱いされていない。
悩みもすれば失敗もする、等身大の青年として描かれている。


大学卒業を目前にした1981年3月23日、真一の前に5人の精霊が現れる。
これは、史実としても大川総裁が初めて霊示を得た日なのだそうである。
真一は紙に「イイシラセ」と書きなぐる。


商社に入社した真一はばりばりと仕事をこなしながらも、
仕事を続けるか、辞めて宗教を開いて伝道の道に進むかで悩み続ける。


ところで、ヒロイン額田美子役の千眼美子はなかなか映画に登場しない。
物語の後半、真一がニューヨークを経て名古屋支社に配属されたところでようやく登場する。
やがて真一と美子はお互い惹かれるようになるが、
仕事を辞めて宗教を起こしたい真一は彼女の気持ちに答えることができないでいる。

父の献身もあって真一の霊言が書籍として出版されベストセラーとなる。
真一はますます悩みを深める。
このまま45歳まで仕事を続け、社会的信用を得てから宗教を起こすべきではないのか。
背後に黒い影が現れ、「そうだ、それが正しい。」と囁きかける。

ついに真一は決意する。
黒い影は悪魔に違いない。
悪魔が邪魔をするということは、自分が救世主であり、今こそ立つべきなのだということの証明であると気づく。

この辺りは僕にはちょっと理解できなかった。
悪魔の言うことは至極真っ当であり、
それまで聖霊の勧誘を断り続けてきたのは何だったのか。


もっとも真一がただ神秘体験を鵜呑みにするのではなく、
仕事と宗教を天秤にかけて悩む姿にはリアリティがあり、
単なる宗教映画という枠に留まらないヒューンドラマになり得ていた。


ラストで会社を辞めた真一は、講演会の舞台に立っていた。
その真一を客席の後ろから見つめる美子の姿もあった。



正直に言って映画自体は良かった。
1970年代から80年代という僕自身が子供の時に過ごした時代がノスタルジックに描かれており、
どことなく懐かしさを感じさせる。

大川宏洋の演技力の無さがいろいろ言われているが、
僕としては不器用で悩み多き青年を見事に演じており、まずは好演だったと言える。

また、これが“千眼美子”としてはデビュー作になる清水富美加も好演していた。
彼女は主題歌「眠れぬ夜を超えて」も歌っているが、
真一と美子の別れの場面で効果的に流れている。

また、石橋保、芦川よしみ、山田明郷、ビートきよし、木下ほうからが脇を固めている。
常務役の京本政樹も好演していたが、パンフレットのクレジットにはなぜか名前が載っていなかった。


個人的に気になったのは、脚本のクレジット。
「脚本原案 大川裕太、脚本協力 赤羽博・松本弘司」となっており、
最終的な脚本執筆者が誰なのかがわからない。
さらに、エンド・クレジットに「ヒカリ」役とある「雲母(きらら)」は映画の中に出演場面がまったくなかった。
雲母は大川裕太の夫人でもあるのため、夫婦と幸福の科学との間に何かがあったのかと思わせる。
実際、雲母のプロフィールが所属していたARIプロダクションのホームページから削除されているというのだ。

さらに主演の大川宏洋も2017年末をもって幸福の科学を離れている。

「大川宏洋Instagram(https://www.instagram.com/p/BdZXpTrgraM/)」より

いったい大川家で何かが起きているのだろうか?
そういえば映画のラストでは千眼美子演じる額田美子がその後も真一の側で彼の活動を支えていくことが示唆されていた。
ということは、彼女のモデルは大川隆法総裁の前妻の大川きょう子なのだろうか?
大川隆法・きょう子夫妻は2012年に離婚している。
大川総裁はそれまできょう子夫人の過去世を「アフロディーテ、ナイチンゲール、文殊菩薩」だとしていたが、
離婚に際して実は間違いで「イエスを売った裏切りのユダ」であったと表明したのである。
言うまでもなくきょう子夫人は大川宏洋・裕太兄弟の母親である。
実の母を悪しきざまに罵る父親は、息子と歳もさほど変わらない29歳年下の大川紫央とすぐさま再婚している。
これが兄弟と父親の確執の原因かどうかはわからないが、何らかの影響はあったに違いない。


話がそれたが、この「さらば青春、されど青春」は色眼鏡なしに面白い映画だった。
少なくとも僕は好きである。

大川隆法総裁が実際に幸福の科学を創立した事情はどうであったのかが知りたくなった。
今さらだが「太陽の法」辺りを読んでみようかな。



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