バベル~創世記5~

BruegelBabel.jpg

シンアルの地の平原に住みついた人々は、天まで届く塔を築こうとした。
それを見た神は、彼らがお互いに言葉を理解できなくした。
その結果、人々は世界各地に散らばっていった。(創世記11.1~11.9)


僕は海外旅行が好きなので世界各地に行くのだが、なぜ世界の言語はこうも違うのかと思うことがある。
以前、タイから陸路国境を越えてミャンマーへ渡ったことがある。
ほんの数メートル行っただけで言葉はもちろん、文字まで一変してしまうのだが、よく考えると不思議なことである。
そんな疑問に答えているのが「バベルの塔」のエピソードだ。

ChoghqZanbil.jpg

バベルの塔は神話であるが、一部では史実を反映しているとも言われている。
なるほどイランのチョガ・ザンビールのジッグラト(聖塔/写真上)などモデルとなった建物は実際にあったのだろう。
この天高く聳えるバベルの塔は、その後も多くの芸術のモチーフとされた。
とりわけブリューゲルの絵画(上の絵)が有名である。

Metropolice.jpg

また、ドイツ映画「メトロポリス」(1927年独)に登場する指令本部の建物(写真上)も、バベルの塔がモチーフとなっている。

横山光輝の漫画「バビル2世」(1971~73年)では5000年前に地球に漂着した宇宙人バビルが、ニムロデ王の協力のもとバベルの塔を築いたことになっている。
当時の人類の不注意で塔は爆発したが、その地下には宇宙人のテクノロジーが残されていた。
やがてバビルの血を受け継いだ少年がバビル2世となるのだが、バベルの塔はそのバビル2世の基地としてたびたび作品の中に登場する(下の絵)。
基地の発生させる人工砂嵐によって基地は発見されないということになっている。

Babil2.png


バベルの塔は、空想的で実現不可能な計画を比喩的に指して用いることもある。
また、バブル景気の時に建てられたものの、バブル崩壊によってそのままにされた高層ビルを「バブルの塔」と揶揄することもある。
聖書にはバベルの塔が崩壊したとの記述はないのだが、工事の中断された塔はいつしか朽ち果て崩れていったに違いない。
まさに1990年代日本を席巻したバブル景気と同じではないか。


バベルという地名の由来は神が「言葉を混乱(バラル)させ(創世記11.9)」たことによる。
映画「バベル」(2006年米)は、モロッコ(ベルベル語)、アメリカ(英語)、メキシコ(スペイン語)、日本(日本語)の4つの国を舞台とした物語が複雑に交差しあう。
モロッコ人兄弟、アメリカ人夫婦、日本人父子のそれぞれの確執を通して言葉ばかりでなく、心が通じない人々が描かれている。
つまり「バベル」という言葉は、お互いの意思疎通が不可能なことを指して象徴的に用いられるのである。



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