ジェイコブス・ラダー~創世記8~

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イサクは妻リベカとの間に双子の子エサウとヤコブを設けた。
年を取り目が見えなくなったイサクは、長子エサウに祝福を与えようとした。
ところがヤコブはエサウのふりをしてイサクの祝福を受けることに成功。
エサウは激怒し、ヤコブは伯父ラバンの元へ逃げる。

ラバンの下でヤコブは財産を築き独立。
故郷に戻る旅の途中で神と格闘し勝利したことから“イスラエル”と名付けられる。
兄エサウとも和解し、イスラエルは12人の子供を設けた。(創世記27~35)


イサクの息子ヤコブは権謀術数に長けた人物として登場している。
ヤコブは、兄エサウから父の祝福を奪っている。
“祝福”とはおそらく、後継者としての立場を神の前で誓うことで、当時のイスラエル民族の間では重要な儀式であったのだろう。
それ以前にも、ヤコブは空腹のエサウにパンとレンズ豆の煮物を与える代わりに長子の特権を譲るよう迫っている。

兄イサクから逃げたヤコブは、伯父ラバンのもとへ滞在し、羊飼いとして頭角を現した。
やがてヤコブはラバンのもとから独立したいと考え、ラバンに報酬として「ぶちとまだらの羊をすべてと羊の中で黒味がかったものをすべて、それからまだらとぶちの山羊」(創世記30.32)」を求めた。
ラバンには白い羊と黒い山羊だけを残して、残りをヤコブが取るということであった。
黒い毛のある羊や、白い毛のある山羊は数が少ないうえに価値が低く劣っていたものと考えられていたのである。
ところが交配の技術にも長けていたヤコブは、強く黒い毛のある羊や、白い毛のある山羊を増やすことに成功。
結果的にラバンの財産のうちの多くをヤコブは手に入れることとなった。


そんなヤコブも、結婚の際にはラバンに騙されている。
ラバンにはレアとラケルの2人の娘がいた。
ラケルが「顔も美しく、容姿も優れていた(創世記29.17)」のに対し、レアは「優しい目をしていた(同)」とだけある。
ずいぶんと遠回しな言い方だが、レアはさほど容貌には優れていなかったのだろう。
ヤコブは妹のラケルの方を愛し求婚、ラバンもそれを承知した。
ところが、ヤコブが婚礼の翌日目を覚ますと隣には長女のレアがいた。
ラバンは「妹を姉より先に嫁がせることはしないのだ(創世記29.26)」と語り、結局ヤコブはラケルに加えてレアとも結婚することとなる。
ヤコブはレアとラケルの2人の妻と、側女としてそれぞれの召し使いのジルパとビルハとの間に計12人の子を設けた。
その子供たちが後にイスラエル12部族の祖先となるのである。
(下の絵はダイス「ヤコブとラケルの出会い」)

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ヤコブの権謀術数は、その息子たちにも受け継がれていた。
ラバンのもとを去ってカナンへ帰る途中ヤコブ一行は、ヒビ人の町に立ち寄った。
その地の首長の息子シケムが、ヤコブの娘ディナを見初め、辱めてしまう。
そのことを知ったヤコブの息子たちは激しく憤った。
シケムの父ハモルがシケムとディナとの結婚を申し込んできたため、ヤコブの息子たちは条件として土地の男たちが割礼を受けることを提案した。
割礼とは、男性器の包皮を切り取ることで、現在でもユダヤ教徒にとって神との契約を示す重要な儀式である。
受け入れたハモルたちは割礼を施したが、それから3日目のまだ傷の癒えていない時に、ヤコブの息子たちが町を襲撃。
股ぐらを抱えて苦しんでいる男たちを皆殺しにすると、財産をすべて略奪したのである。


今回の件名「ジェイコブス・ラダー(ヤコブの梯子)」とは、家を逃げ出したヤコブが道中夢の中で見た天使が上り下りする天国まで続く梯子の事である(一番上の絵)。
この時神はヤコブに「あなたの子孫は大地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう」(創世記28.14)と予言するのである。
この「ヤコブの梯子」は地上と宇宙を結ぶ巨大な軌道エレベータの事を指すことがある。
例えば「ガンダム Gのレコンギスタ」(2014~15年サンライズ/MBS)に登場する軌道エレベータ「キャピタル・タワー」のように、SFにはしばしば登場してくる。

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そう考えると、天国と言うものは案外宇宙に存在してたりするのかもしれない。


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