或る夜の出来事~ヨシュア記~

「ヨシュア記」の主人公はヨシュアである。
ヨシュアはモーセの跡を継いでイスラエル人の指導者となり、彼らを遂にカナンへ導くことに成功した。
(下の絵はジャン・フーケ「エリコの奪取」)

PriseJéricho.jpg

「ヨシュア記」にはヨシュアに率いられたイスラエル人のカナン攻略が詳細に述べられている。
イスラエル人は手始めにエリコ(ジェリコ)を攻めた。
祭司たちが十戒を収めた契約の箱(いわゆるアーク)を担いでヨルダン川を渡ると、川が干上がるという、かつてモーセが見せたのと同じ奇跡が起きる。(ヨシュア記3.14~4.18)

また、城壁で囲まれたエリコの周囲を契約の箱が7日間の間周り、7日目に7周回って角笛を鳴らし鬨の声を上げると、城壁が崩れ落ちた。(ヨシュア記6.1~6.20)
これが「エリコ(ジェリコ)の壁」と呼ばれるエピソードで、後に映画「或る夜の出来事」(1934年米)に引用されている。
ふとしたことでホテルの同室に宿泊することになった新聞記者(演:クラーク・ゲーブル)と令嬢(クローデット・コルベール)だったが、過ちのないようにと新聞記者が2りのベッドの間にロープを張って毛布を掛け仕切りを作り、これを「ジェリコの壁」と呼ぶのである。
最終的に2人は結ばれ、ラストシーンで新聞記者がラッパを吹き鳴らすと、毛布が落ちジェリコの壁は崩壊する。

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ヨシュアはエリコを攻め滅ぼし「男も女も、若者も老人も、また牛、羊、ろばに至るまで町にあるものはことごとく剣にかけて滅ぼし尽くした」(ヨシュア記6.21)という。

ヨシュアは続いてアイを攻略。
一度は敗れるも、2度目の攻撃でこれを撃破し、1万2千人を滅ぼした。
さらにエルサレム、ヘブロン、ヤルムト、ラキシュ、エグロンの連合軍を撃破している。
この時神の加護があって敵陣に天から大石や雹が降り注ぎ、日が1日中沈むことがなかったというから、敵にとってはたまったものではない。
イスラエルはやがてカナン全土を攻略したが、その際に「住民を滅ぼし尽くして一人も残さなかった」(ヨシュア記10.28)「息ある者は一人も残さなかった」(ヨシュア記11.14)といった具合に敵を徹底的に殲滅させている。
ヨシュアは征服したカナンの土地を十二族にくじ引きによって分配したが、こんな有様では周辺の異民族とうまくやっていくことは難しい。


神の力を抜きにすれば、ヨシュアはモーセよりも有能な指導者だったのかもしれないが、今日まで続くイスラエル人とアラブ人の紛争の要因というのも実はヨシュアのせいだったのかもしれない。



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