君の名は~連続テレビ小説「エール」終了~

連続テレビ小説「エール」が最終回を迎えた。
4月に放送開始。
途中、新型コロナウイルスの流行による撮影中止があったため、6月から約3ヶ月の中断を挟むという異例の事態となった。

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ちょうど緊急事態宣言のテレワーク期間中だったこともあり、僕にしては珍しく朝ドラを熱心に観ていた。
その後、通常勤務が再開したが、結局最終話まで欠かさず観続けてしまった。
それにしても、朝ドラを観るのはいつ以来だろう。
ちょっと調べてみたところ、1999年後期の「あすか」以来だった。
つまり、約20年ぶりということになる。

なぜ、ここまで熱心に観続けたかというと、「エール」は主人公のモデルが作曲家の古関裕而だったからである。
古関裕而というと、早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」の作曲者である。
その古関をモデルとした主人公・古山裕一に窪田正孝が扮している。


当初は劇中に「紺碧の空」が流れてくれればいいな、ぐらいの気持ちで観始めたのだが、5月に1週間に渡って「紺碧の空」誕生エピソードが放送された。
曲の方もフルコーラス作中で歌われたのである。
これにはかなり興奮した。
本来であれば、その気分のまま伝統の早慶戦へと突入したいところだったが、新型コロナのため東京六大学野球は8月に順延となってしまった。

返す返すも「エール」は新型コロナウイルスに翻弄された朝ドラだった。
第1話と最終週には古関が音楽を担当した東京オリンピック開会式が登場。
これも本来であれば、2020年東京オリンピックと連動させたかったはずだが、オリンピックは来年に延期となっている。
そして、何よりもショックだったのは、出演者の1人志村けんが放送開始前に新型コロナで亡くなったことである。

志村が演じていたのは作曲家・山田耕作がモデルの小山田耕三。
裕一が歌謡曲の世界に入るきっかけとなった“恩人”だが、常に古山に対して冷たく当たりその真意が謎のままであった。
志村の出番は前半で終わっていたが、最終話に小山田が生前に書いた手紙が裕一に届けられる。
手紙で小山田はこれまで裕一を嫉妬していたことを詫び、許しを乞うものだった。
最終話に志村けんがワンカットだけ登場した。
作中常にしかめっ面であった小山田が、鏡越しに微笑んでいた。
何でもこれは撮影中に偶然撮られたオフショットであったとのこと。
稀代のコメディアン志村けんの生涯最後の出演シーンである。


「エール」では、「紺碧の空」以外にも「船頭可愛や」「長崎の鐘」「鐘の鳴る丘」「栄冠は君に輝く」といった古関の名曲の誕生エピソードが登場した。
また、作詞家・野村俊夫(役名・村野鉄男)、歌手・伊藤久男(同・佐藤久志)、作曲家・古賀政男(同・木枯正人)、オペラ歌手・三浦環(同・双浦環)、劇作家・菊田一夫(同・池田二郎)といった実在の人物がモデルの人物が登場してくる。
もともと昭和歌謡に強い興味があったので、とても興味深く観ることが出来た。

ただ、阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」に関しては、裕一が球団本社に楽譜を渡すシーンしか無かったのが残念であった。
元阪神の掛布雅之が球団幹部の役で出演していたにも関わらず、ほんの数分で終わってしまったので、阪神ファンには納得がいかなかったのではないだろうか。


「エール」のフィクションとノンフィクションが絡み合うストーリー展開というのは、昨年の大河ドラマ「いだてん」を思い起こさせる。
ただ、どこまでが史実なのかがわからなくなってくる。
例えば、古山裕一には娘が1人いるだけだが、実際の古関裕而は1男2女を設けている。
この機会に、史実の古関裕而についてもいろいろと知りたくなってきた。