紅蓮華~「鬼滅の刃」~

現在、社会的ブームとなっているアニメ「鬼滅の刃」(原作:吾峠 呼世晴、「少年ジャンプ」連載)。
僕の教え子たちの間でもかなり話題になっている。

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僕が「鬼滅の刃」を知ったのは去年のハロウィンの頃だった。
たまたま池袋のサンシャインの近くを通ったところ、ハロウィンのイベントの真っ最中だった。
その中に、口に筒のようなものを加えた和装の女の子のコスプレが何人もいたので少し気になった。
さっそく翌日、生徒に聞いてみたところ、それが「鬼滅の刃」であるとわかった。

その時はそのままだったのだが、それから1年近く経って、空前のブームが沸き起こった。
ついには新語・流行語大賞のトップ10にも入ったのである。

こうなると、僕もちょっと読んでみようかという気になって来る。
取りあえず、第1巻を買ってきて読んでみた。
その結果……すっかりハマってしまった。

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その後HULUでテレビアニメの方も追いかけて観た。


「鬼滅の刃」の舞台は大正時代。
鬼によって家族を殺され、妹の禰豆子を鬼に変えられてしまった少年・竃門炭治郎が主人公である。
炭治郎は禰豆子を人間に戻すために、鬼退治の組織である鬼殺隊の隊士となり鬼と戦っていく…。


この作品の魅力は、なんといっても多彩なキャラクターにある。
なんといっても主人公・炭治郎。
この物語は彼の成長の物語でもある。
炭治郎は長男としての責任感が強く、生真面目で心優しい性格として描かれている。
そのままでは重く暗いトーンなりがちだが、そこにコメディリリーフとして炭治郎の鬼殺隊同期である我妻善逸、嘴平伊之助の2人が絡んでくる。
3人のやり取りはまるでギャグ漫画のようで、作品に明るい彩りが添えられる。
炭治郎ら3人が団結・成長し、鬼に立ち向かっていく様子はまさに、「少年ジャンプ」の大きな柱である「勝利・友情・努力」そのものだ。

そんな彼らを導き、支えるのが“柱”と呼ばれる9人の鬼殺隊の実力者たち。
彼らもやはり極めて個性的かつ魅力的に描かれる。

魅力的なのは仲間だけではない。
敵である鬼たちもまたしかり。
鬼の首領・鬼舞辻無惨は、人間に自らの血を与えることで鬼を生み出す。
その彼の率いる鬼の中でも最上位とされるのが“十二鬼月”と呼ばれる12人の鬼。
その鬼たちは単なる敵役には留まらず、丹念にその背景が描かれる。
なぜ彼らが鬼にならなくてはならなかったのか、鬼たちは皆つらい過去を持っている。
鬼殺隊に殺られいまわの際に彼らは人間だった頃を思い出す。
そんな彼らの姿は鬼ながら同情を禁じ得ない。
炭治郎はそんな鬼たちにさえも慈悲の心を向けるのである。


もちろん「鬼滅の刃」は、アクション漫画としての魅力にも溢れている。
激しい剣戟や、鬼殺隊と鬼の双方が秘技を繰り出してのバトルシーンが満載だ。
鬼たちは人の肉を食らい何百年と生き永らえる。
腕や足を斬られても再生する能力を持ち、鬼殺隊の刀で首を斬られない限り死ぬことはない。
それに対し、鬼殺隊は生身で立ち向かう。
当然、人間であるから傷つき、死んで行くことになる。
鬼殺隊の柱の1人・煉獄杏寿郎はこう語る。
「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。」
そこには日本人の好きな一種の「滅びの美学」といったものがあるのではないだろうか。


原作は先日コミック23巻で完結した。
無駄に連載が引き延ばされる傾向にある「少年ジャンプ」の連載漫画としても、異例の潔さであったように思う。
テレビアニメ版「鬼滅の刃」は原作でいえば7巻までのところで終わっており、その後は映画「鬼滅の刃/無限列車編」に引き継がれた。
その映画も空前の大ヒットで、興業収入歴代1位の「千と千尋の神隠し」に迫る勢いである。
新型コロナウィルスの心配がなければ、僕も劇場に駆けつけたかったところだ。
そしてテレビアニメ版の新シリーズの放送開始も待たれる。


どうやらまだまだ「鬼滅の刃」の楽しみは終わらないようである。


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