熱中時代~萩生田文科相発言~

Ay8OXxRUZ38.jpg


萩生田光一・文部科学大臣の1月19日の記者会見が話題となっている。



萩生田大臣は、次のように述べている。

「目指すべき出口は何かと言ったら(中略)教師という職業を再び憧れの職業にしっかりとバージョンアップしてですね、志願者を増やしていくということにしたいと思います。」


2015年の東京都の教員採用試験の受験者は15,168人、倍率は5.0倍だった。
それが2020年は受験者9,265人、倍率2.7倍と半分近く減っている。
なるほど、確かに教員の成り手が減っているのは事実のようだが、その理由は何だろうか。
萩生田大臣は、「その目指す教員の皆さんが、何となく今までは大変な職業だというのが少し世の中に染み付いてしまっています」ということだと語る。
土日の部活動や、残業代が出ないなど、教員のブラック具合は知られている。
それを萩生田大臣は「何となく大変」という先入観だと言ってしまう。


憧れを取り戻すための方策としては「質の高い教師の確保」が重要だと考えているそうだ。
確かに、良い先生との出会いが、教師を志すきっかけとなるということは、当然のことである。
実際、僕自身もそうだった。
だが、それは一朝一夕では出来ないことで、現状の教員志望者の不足の解決にはならない。
過重労働の解消や、残業代の支払いなどの給与の拡充など、もっと優先してやるべきことがあるのではないか。

萩生田大臣は、質の高い教員の確保の方策として、「35人学級」、「社会人等」の活用、「教職課程の高度化と研修の充実」などを挙げている。
この中では「研修の充実」というのが信じられない。
教員の現状を解消しないで研修を増やすのでは、ますます教員の過重労働が加速するばかりではないか。
もっと時間があれば、自己研鑽に割きたいと思っている教員はいるのだから、まずは教員に時間の余裕を持たせるべきだ


萩生田大臣は、母校・早稲田実業学校の先輩に当たる。
そういう意味でも僕は彼には期待しているのだが、今回の発言を見る限り、彼は教員の現場を全く知らないのではないかと思えてしまう。
文部科学大臣としての資質さえ疑われる。
まずは、もっと現場の声を聞いて、実状に合った方策を打ち出してもらいたい。
そのための協力は、後輩としても惜しまないつもりだ。