麒麟がくる~大河ドラマ最終回~

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NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が2月7日最終回を迎えた。

この「麒麟がくる」、放送開始時からトラブル続きであった。
放送開始直前、織田信長の妻・帰蝶(濃姫)役の沢尻エリカが麻薬所持で逮捕され降板。
すでに撮影済みの出演シーンを撮り直したため、放送開始が2週間遅れた。
さらに、新型コロナウィルスの流行によって収録が一時中断。
6月から8月まで放送が休止された。
そのため、初めて大河ドラマが年を跨いで放送されることになった。

主人公の明智十兵衛光秀を演じたのは長谷川博己。
従来の光秀というと繊細で神経質な人物のイメージだが、長谷川・光秀は若々しく勇ましい。
これまでにない明智像が描かれていた。

他にも染谷将太の織田信長、佐々木蔵之介の羽柴秀吉というのは一見意表をついたキャスティングだったが、
観ているうちに違和感が無くなってくるから不思議である。


最終回第44話のタイトルは「本能寺の変」。
信長との確執が深くなった光秀は、遂に信長を討とうと決意する。
天正10(1582)年6月2日、明智率いる大軍が信長の滞在する本能寺を急襲する。

驚いたのは山崎の合戦が、「光秀は敗れた。世の動きは一気に早まった」というナレーションで語られただけで全く描かれなかった点だ。
これは近年の大河ドラマによく取り入れられている「ナレ死」(ナレーションだけで死が語られること)なのではないか。
「麒麟がくる」でも光秀の親友にしてライバルであった斎藤義龍(演:伊藤英明)の最期が「斎藤義龍は2年後、病によりこの世を去る」というナレーションで描かれていただけだった。

ここで物語は3年後に飛ぶ。
幼い頃から光秀を慕っていた駒(演:門脇麦)は光秀が丹波の山奥で今も生きているとの噂を耳にする。
そして、人混みで光秀らしき後ろ姿を見かけ追いかけるも、見失ってしまう。
これはまるで、「帝都物語」のラストシーンではないか。
「帝都物語」では滅ぼされたはずの加藤保憲(演:嶋田久作)の姿を見るのが、「麒麟がくる」で正親町天皇を演じた坂東玉三郎だったというのも面白い偶然だ。

ラストシーンでは光秀らしき男が馬にまたがって疾走する場面。
まさかの光秀生存説を取り入れた最終回であった。

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タイトル「麒麟がくる」の麒麟とは、戦乱の世を終わらせ平和な世をもたらす人物が連れてくる伝説の動物のことである。
光秀の天下は10日で終わり、彼は麒麟を連れてくることが出来なかった。
この世界に麒麟を連れてくることが出来たのは、豊臣秀吉もしくは徳川家康(演:風間俊介)である。

ところで、光秀は死なずに天海僧正になったという説がある。
天海といえば徳川家康の側近である。
実は光秀は徳川家康と共に天下太平を築きあげ、この世界に麒麟を連れてくることに貢献していたのではないか。
そう考えると最終回で光秀と家康の絆が盛んに描かれていたのは、意味ありげである。
光秀と家康の間に密約があったとすれば、家康が伊賀から三河に逃げる「伊賀越え」の必要がなくなってしまうのだが、
そこも「徳川家康は次の事態に備えるため三河に走った」とナレーションで説明されただけだった。


ひょっとしたら続編があるのだろうか?
あるいは、再来年の大河ドラマは「どうする家康」である。
そこに長谷川博己を天海役で出演させるなんてサプライズがあったら面白いかもしれない。