十戒~出エジプト記2~

エジプト軍を振り切った後も、モーセ一行の苦難の旅は続く。
約束の地にたどり着くまでに40年もの歳月を要したという。
それほどまで長い時間砂漠をさまようことになった原因は、民が神を信じることをしなかったからだという。

砂漠の放浪の旅である。民が飢えと渇きに悩まされたことは想像に難くない。
そんな時もモーセは奇跡を起こす。
マラの地で得た水は苦くて飲むことが出来なかったが、モーセが木の枝を投げ込むと水は甘くなった。(出エジプト記15.23~25)
また、うずらが大量に飛んできたこともあった。(出エジプト記16.13)
モーセが「あなたたちのために、天からパンを降らせる」(出エジプト記16.4)と語ると朝には「荒れ野の地表を覆って薄くて壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた」(出エジプト記16.14)。
人々はこれを「マナ」と名付けたが、「蜜の入ったウェファースのような味がした」(出エジプト記16.31)という。
マナの正体にはいろいろな説がある。
ギョリュウ科のマナ・タマリスクの木の樹液だとか、その樹液を吸った虫の分泌物であるとか、カイガラムシの排泄物が乾燥したもの、あるいはリンゴなどの果実やキノコといったものまで…。
宗教的な比喩と見るべきなのかもしれない。


エジプトを出て3ヶ月、モーセ一行はシナイ山の麓へたどり着く。
この山に登ったモーセは神からの啓示を授かる。(出エジプト記20)
(下の絵はレンブラント「十戒の石板をふりかざすモーセ」)

TenCommandments.jpg

1.あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
2.あなたはいかなる像も造ってはならない。
3.あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
4.安息日を心に留め、これを聖別せよ。
5.あなたの父母を敬え。
6.殺してはならない。
7.姦淫してはならない。
8.盗んではならない。
9.隣人に関して偽証してはならない。
10.隣人の家を欲してはならない。

この10の戒め、いわゆる十戒を岩に2枚の岩に刻んだものをモーゼは授かった。
映画「珍説世界史PART1」(1981年米)では、モーセが神から授かった石板は3枚すなわち十五戒だったのだ、1枚落として割ってしまったということになっていた。
なおこのエッセイでは神の名をみだりに唱えているため、十戒の3番目に違反していることになる。


さらにその後もモーセは40日間にも渡って神から戒律を授かった。
モーセがなかなか戻ってこないため、残されたイスラエル人は金の子牛像を造りそれを崇め始めた。
山から下りてきたモーゼはその有様を見て激怒。
金の子牛像を焼き払うと、偶像崇拝に加担した民衆の殺害を命じる。
この時殺されたのは3000人にも及んだ。(出エジプト記32)

映画「十戒」(1956年米)では、モーセが十戒を刻んだ石板を金の子牛像に投げつけると、大地が割れて火が燃え盛るという、より神罰的な結末となっている。


モーセの物語はその後「レビ記」「民数記」「申命記」と引き継がれていく。
「創世記」から「申命記」までの5冊を「モーセ5書」と言い、モーセ自身が書いたと信じられている。
何度となくモーセに対する反乱や外敵との戦いがあり、一行は40年にも渡って荒野をさ迷うこととなり、モーセ自身もカナンを目前として120歳でこの世を去ることとなる。



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