エクソダス~出エジプト記3・レビ記・民数記・申命記1~

「出エジプト記」20章から「レビ記」「民数記」「申命記」にかけて、聖書の記述は律法の内容を詳細に語ることに費やしている。
従って物語的な面白さは激減してしまう。
(下の絵はブリグストック「フルと兄アロンに支えられたモーセ」)

Moses.jpg

モーセ一行は荒野を旅している。
今日のベドウィンのように穴を掘って柱を立てたテントに住んでいたのではないだろうか。
にも拘わらず律法に定められた戒律は日常生活から祭儀に至るまで詳細である。
果たして一行は旅先でも戒律を厳格に守っていたのだろうか?
十戒に書かれていた安息日だって、農耕民ならともかく家畜を世話する遊牧民がそれを守るのは難しい。
だから聖書の十戒を始めとする律法は、イスラエル人が農耕を主とするようになった後の時代に出来たものだと考えることも出来る。
いや、神がその後の時代の事を見通してモーセに与えたということか。


僕はユダヤ教徒でもキリスト教徒でもないので、正直律法のありがたみはわからない。
そこで、今日我々の目から見て面白いと思う記述をいくつかピックアップしたい。


   もし人に、精の漏出があったならば、全身を水に浸して洗う。その人は夕方まで汚れている。(略)精の漏出は男と寝た女にも当てはまる。二人とも身を洗う。二人は夕方まで汚れている。(レビ記15.16~18)

性交をすると穢れてしまうようだが、「精の漏出」が問題なのでそこには自慰行為も含まれるのだろう。


   母を犯し、父を辱めてはならない。彼女はあなたの実母である。彼女を犯してはならない。(レビ記18.7)

この後「父の妻」「姉妹」「孫娘」「おば」「嫁」などでも同様に「犯してはならない」と述べられる。
どうやら当時は、近親婚というものが盛んだったようだ。


   女と寝るように男と寝る者は、両者ともにいとうべきことをしたのであり、必ず死刑に処せられる。(レビ記20.13)

神は同性愛を禁じている。


   女は男の着物を身に着けてはならない。男は女の着物を着てはならない。(申命記22.5)

そればかりか男装や女装といった異性装をも禁じている。


   動物と交わった男は必ず死刑に処せられる。その動物も殺さねばならない。(レビ記20.15)
   すべて獣と寝るものは必ず死刑に処せられる。(出エジプト記22.18)

一番凄いのがこれ。
神がわざわざ禁止するぐらいだから獣姦は当時から盛んだったのだろう。


ユダヤ教やキリスト教の聖典である旧約聖書では上記のように同性愛に関しては厳格に禁止している。
ところが実際のところ、オランダやスペイン、フランスといった欧米の多くの国では同性婚が法的に認められている。
一方の日本は江戸時代の「衆道」など伝統的に同性愛に関して寛容であったはずなのだが、現在同性婚は法的には認められていない。
それどころかG7の中で、同性婚や同性のパートナーシップの制度を認めていないのは日本だけなのだそうだ。

いつの間にか日本と西洋とで価値観が逆転してしまっているのも面白いことである。



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